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タクシードライバー
真夏の夜の思い出

投稿者 匿名

東京でタクシードライバーの仕事をして二年になる。都内にタクシードライバーはかなり増えて、収入はあまり伸びない。まあ、自分も最近参入したクチだから文句は言えないのだけれど。僕はまだ28歳で独身だから、それほど生活がかかっているわけではないから、気楽といえるだろう。今まで、いろいろな客を乗せて、けっこう楽しんで仕事をしている。芸能人だったり、美人ホステスだったり、なかには女子高生の分際で乗るやつもいた。しかし、一番強烈だった思い出がある。あれは、夏の暑い夜だった。乗せた客は、男女のカップル。男性は40代、女性は20代、あきらかに不倫と思われるカップルだった。お互いに酔っているようで、乗り込むと早くもいちゃつきだしたのだった。行き先は渋谷のラブホ街。待ちきれなくて始めるんじゃないかと、ドキドキしたものだ。僕は前を見たまま、聞き耳だけは、しっかりと立てていた。

「ねえ、だめよぉ。運転手さんが見てるぅぅぅ」

「大丈夫だよ。ちょっとだけ。……ほらぁ」

「あ、あぁぁ……いやん、もう」

「固くなって、コリコリしてきたよぉ」

「ああぁん、やだぁぁ。はぁぁん」

「こっちはどうかな? お? なんだ、びっしょりじゃないか?」

「だって……気持ちいいんだもん」

「もっと、気持ちよくさせてやる。こうだ!」

「あ! ああぁぁん、すごぉぉい! ああぁぁん!」

その時だ。前方に急に割り込む車のせいで、急ブレーキをかけざるを得なかった。聞き耳に集中が行って、ブレーキが遅れたのも事実だが……。タイヤが鳴る音がして、体勢がつんのめるようになった。後部の客が激怒する。

「おい、しっかり運転してくれよ!」

「すみません。急な割り込みで……」

「頼むぜ、運転手さん。聞き耳立てて勃起してる場合じゃないぜ」

カチンときた。でも勃起してるのは事実だ。突然車内に鳴り響く携帯電話の音で、僕は心を落ち着かせることができた。携帯は男のものだった。会話は短いものだったが、僕に途中で止めてくれという指示を出したのだった。

「娘が怪我をしたらしい。急いで帰らなくてはいけない。今夜はここまでだ」

「ええ? 奥さんがいるじゃない!」

「そう言うな。埋め合わせは今度する」

険悪な雰囲気が流れている。僕は車を路肩に止めると、男から「彼女を送ってあげてくれ」と言われ、料金を貰った。男はすぐさま車から出て行くと、次のタクシーを捕まえて立ち去っていった。彼女を残したまま……。後部座席で彼女は泣いていた。かすれた声で自宅の場所を告げた。都内の端の地域だった。走っている間、鼻をすする音がいつまでも僕の耳に入ってきた。不倫なんて不毛だよな。けれど、好きになったら仕方ないのかな。所詮は他人事だから、適当にそう考えていた。ただ、僕が彼女にしてあげられることはないだろうかと、思いをめぐらせていた。せめて何か心に残る言葉でもないかと……。それほど彼女はいい女なのだ。僕もす
こしはいい男を見せたい。彼女の自宅に到着した。美しい彼女には似合わない質素なマンションだった。これが現実であろう。僕はなんて声をかけようか悩んでいると、

「ねえ、寄っていってよ」 と彼女の方が誘ってきたのだった。

「いえ、僕はまだ仕事がありますから」

「仕事? 運転しながら勃起させることが?」

再び、カチンときた。事実なだけに余計腹がたつ。

「抜いていきなさいよ。そんなんじゃ、事故を起こすわよ」

彼女は挑戦的な態度だった。やけくそとも言えるかもしれない。彼女が僕の腕をつかみ、運転手席から引っ張り出した。僕はおそるおそる、部屋について行ったのだ。



部屋に着くと同時に、僕は彼女にベッドの上に押し倒されたのだった。

「心配しないで。私、けっこう、イイわよ」

彼女が僕の上にのしかかり、シャツを剥ぎ取り、ズボンを降ろさせた。赤い唇が僕の上半身を這い回る。柔らかな舌先が乳首をこねる。指先が僕の股間をまさぐっている。僕はマグロ状態だった。

「ねえ、私の裸、見たいでしょ? 脱がしてよ」

僕はおそるおそる、彼女のシャツのボタンを外しにかかった。

「何してるのよ! もっと激しく脱がせて! 私を犯してよ! なにもかも忘れちゃうくらい激しく抱いてよ! 男でしょ? 運転しながら勃起させてるような男でしょ!!」

三度カチンときた。お望み通り、襲ってやるよ。僕は彼女の衣類を引き裂いた。破れる音が耳に響き、さらに興奮が増す。脱がすと意外に大きいおっぱいを背後からわしづかみにする。

「あぁぁん。もっと、もっと私を責めて! メチャクチャにしてちょうだい!!」

もちろんだとも。僕は愛撫もほどほどに、バックから挿入を試みた。すでに濡れそぼったアソコは、僕の肉棒を簡単に飲み込んでいくのだった。

「ああぁぁぁ!! すごぉい! 大きいわぁぁ!!」

そして最初から全快に腰を振った。肉と肉がぶつかって、ぱぁんぱぁんぱぁんと、乾いた音が鳴り響く。

「あん、あん、あん、ああぁぁん!」

彼女の両腕を後ろから掴みあげ、膝立ちの格好をとらして、さらに奥へと肉棒を突っ込んでいく。えび反りの体勢をとらせると、アソコがキュンと締まっていく。

「はぁうぅぅぅぅぅ……あぁぁぅぅぅぅ……」

奇妙な喘ぎ声へと変わっていく。彼女は疲れ果てたようにベッドにうつぶせるが、僕はまだ終わっていない。尻だけ突き出した形のまま、僕はフィニッシュに向けて突き進んだ。そして、発射寸前で抜くと、彼女を仰向けにさせて、顔面に思いっきりかけたやった。彼女の顔に、ベトベトの粘液が降り注いだ。そこから僕を見ている瞳は、果てた女の目ではなく、悲しみにくれた女の目であった。我に帰った僕は、やるせない気持ちになった。

「いいの。これでいいの」

そう彼女は呟いた。






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次項 乞うご期待