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引越しの女
投稿者 匿名
引越し会社のバイトを始めてもう五年になる。
バイトというより、すでに職業と化しているかもしれない。事実、正社員の誘いも来ている状態だった。仕事は嫌いではないのだが、ずっと続けるのはどうかなと思う。力仕事が嫌なわけではないけれど、この仕事を長く続けていると、いろいろな人間模様と遭遇し、場合によっては憂鬱になることがあるからだ。例えば、こんなことがあった。
一人暮らしの女性の引越しだった。荷物もそれほど多くないということで、俺一人が対応することとなった。三十前後で、ちょっと痩せ気味の地味だが綺麗な女性だった。ただ、なんだか疲れた表情を見せるから、美人とは言いがたい雰囲気があった。引っ越し先は地方都市だった。どうやら実家に戻るらしい。三十歳。独身女性。痩せた身体。たった一人での引っ越し。意味ありげなキーワードは幾つもある。しかし、詮索することはよくないことだ。俺は黙々と、二階の部屋から荷物を運んだ。すると彼女も荷物を運び出したのだった。
「大丈夫ですよ。俺一人でできますから」
「でも。軽いものだけでも、お運びします」
実際、手伝ってもらったほうが迷惑なんだけれど、そう言うわけにもいかず、好きにやらせることにした。ところが、彼女が階段から転げ落ちてしまったのだ。
「大丈夫ですか?」
「痛い……けど、大丈夫みたい……あ、痛!」
どうやら、足を捻ったようで、階段の踊り場でうずくまっていた。俺は彼女に駆け寄った。彼女は、必死に段ボール箱から飛び散った荷物を拾っていた。下着の入った箱だった。踊り場にぶちまけた下着は、どれも派手なものばかりだった。
「いやだ、もう……」
俺は、どうしようか一瞬迷ったが、冷静を保って下着を拾い始めた。黒いT−バックのショーツ、真っ赤なブラジャー、フリルのついたかわいい下着、パンティストッキングにガーターベルトまであった。どれも地味な彼女にふさわしくないように思えた。そして、とんでもないものまで発見してしまった。極太のバイブレーター。彼女は涙目になって、拾っていた。
彼女はまともに歩けない様子であったので、引っ越し先まで助手席に乗せていくことになった。トラックは高層ビルの間を抜けながら、首都高速を走った。彼女はずっと外の景色を見ていた。なんだか寂しげに……。
「あなた、東京の人?」 と突然彼女が聞いてきた。
「いえ、上京組みですよ」
「そう……。東京は楽しい?」
「楽しいことも、辛いことも、盛りだくさんって感じですかね」
「私は結局、辛いことばかりだったわ」
そこで会話は途切れた。気まずい空気だった。胸が締め付けられるかのような、そんな重圧がのしかかった。
「軽蔑してる?」
再び彼女が口を開いた。そして続ける。
「あんな派手な下着や、イヤらしい大人のおもちゃを持ってたりして。ね、変な女でしょう? 男に飢えてるとしか思えないでしょ? 普通、あんなもの、引っ越しの際には捨てるよね。でも、捨てられないの。こんなものだって、思い出があって……」
最後は涙声だった。
「もう、よしましょう」
彼女は黙って、僕の方に身を任せるように、もたれかかってきた。運転しずらいけれど、受け止めるべきだと勝手に思った。柔らかな胸の感触が腕に伝わる。細身のわりに、けっこう巨乳だった。
「東京の最後の思い出に、私を抱いてくれない? あなたなら、いい思い出になりそうなの」
俺は肯定も否定もしなかった。けれども、ハンドルは高速道路から降りていた。
インター近くのラブホテルに、彼女と入った。トラックで入るのも珍しいのではないか。衣類を脱ぎ捨てた彼女の下着は、紫色のド派手なものだった。俺はそれを剥くように脱がした。そしてシャワーもほどほどに、俺と彼女はベッドに倒れこんだ。予想通り、彼女は痩せた身体に大きなおっぱいの持ち主だった。乳首にキスをして、強めに吸うと、ツンと固くなって感度を増す。
「はぁん! いい。気持ちいいわ」
大きなおっぱいを、下から包み込むように揉む。しっかりとした弾力感が手の平に伝わってくる。
「ねえ、バイブも使って」
彼女を四つんばいにさせると、背後から大きくパックリ開いた女の園に、バイブを突っ込んだ。
「ああぁぁん! そう! これよ! これが好きなのぉぉ!!」
彼女は自ら腰を振り、快感を貪っていた。あまりの激しさに、俺は引いてしまうほどだった。けれども、性獣と化した彼女は、俺を傍観者にはしてくれなかった。固くなった肉棒を咥えこみ、唾液をたっぷり溢れさせ、ジュルジュルと音を立てながらフェラチオを続けるのだった。あまりにもスケベな彼女に、俺は我を失った。彼女の頭を両手で掴み、力任せに振ってやると、肉棒からの快感が増幅された。彼女を玩具のように扱った。どうしてだろう? 大事にしようとか、優しくしようとか考えられない。俺は普段は女性に対して、こんな行動にでる男ではないのだ。けれども、彼女に対しては、弄んでやろうという意識だけが先行する。彼女が原因だ。彼女がそうさせるに違いない。きっと、今まで彼女を抱いてきた男たちも同じだったのだろう。そして彼女は傷ついていくのだ。かまわない。知ったことではない。俺は、彼女を仰向けに押し倒すと、バイブを今度は口につっこみ、濡れ濡れの園に自分の肉棒を突っ込んだ。苦悶の表情を浮かべる彼女を見ながら、力任せに性欲の赴くままに、腰を振った。肉と肉のぶつかる音が、パンパンと鳴り響いた。
完
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次項 乞うご期待